Q.新型コロナウイルスワクチンの副反応ってどんなものがありますか?
現在、日本で接種が進められている新型コロナワクチンでは、接種後に注射した部分の痛み、疲労、頭痛、筋肉や関節の痛み、寒気、下痢、発熱等がみられることがあります。こうした症状の大部分は、接種後数日以内に回復しています。(ファイザー社のワクチンにおける臨床試験の主な結果はこちら、武田/モデルナ社のワクチンにおける臨床試験の主な結果はこちら、接種開始後の健康状況調査の結果はこちら)
極まれに、アナフィラキシーという激しいアレルギー反応が起こる可能性が指摘されています。しかし、起こるとしても、そのほとんどは接種後30分以内に起こり、適切な処置を取れば生命に関わる危険性はかなり低いと言われています。しかし、放置した場合は生命に関わる危険性がありますので注意が必要です。
<アナフィラキシー症状>
全身に発疹が出るなどの皮膚症状、唇や舌が腫れる粘膜症状のいずれかが表れ、なおかつ呼吸困難、気道狭窄、喘鳴、低酸素血症などの呼吸器症状か血圧低下、意識障害などの循環器症状が見られます。アレルゲンにさらされた後、数分から数時間以内に急速にこれらの症状が表れるのが特徴で、腹痛、嘔吐などの消化器症状を伴うこともあります。また皮膚症状を伴わなくとも、アレルゲンにさらされた直後に平常時血圧の70%未満まで急速に血圧が低下することも。気道狭窄や不整脈、動悸や失神などのショック症状によって、場合によっては死に至る危険性があります。
<アナフィラキシー発症時の対応策>
次の3つの要件のいずれかに当てはまれば、アナフィラキシーと判断されます。
・1つ目は、発疹などの皮膚症状か唇の腫れなどの粘膜症状のいずれかがあり、急速に呼吸困難などの呼吸器症状や血圧低下、意識障害が見られる場合です。
・2つ目は、アレルゲンとなり得るものを摂取または接触した後、数分から数時間以内に皮膚・粘膜症状、呼吸器症状、循環器症状、消化器症状のうち2つ以上が確認される場合です。
・そして3つ目は、アレルゲンにさらされた直後に平常時血圧の70%未満を基準とする急速な血圧低下がみられた場合です。
当院ではアナフィラキシーに対応する注射薬を準備しており、万一アナフィラキシーが起こった場合は速やかにアナフィラキシーを抑える注射を打ち、救急車でアナフィラキシー対応病院へ搬送させていただきます。アナフィラキシーは接種後30分以内に起こることが殆どなので、夜間や休日に軽い蕁麻疹や熱が出た程度であれば使い慣れた解熱剤等で様子をみてよいと考えます。可能性は極めて低いと思われますが、万が一、ご自宅等でアナフィラキシーの3つの要件を満たす強いアレルギー症状が出た場合は、一刻を争いますのですぐに救急車を呼んで下さい。その際は、新型コロナワクチンを接種した旨(日時も含め)救急隊の方にお伝え下さい。